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画像電子学会

The Institute of Image Electronics Engineers of Japan

会長挨拶

企業と学会の相互Contribution

石橋 聡(会長,NTTテクノクロス株式会社技師長)

Mutual Contributions between Companies and Academic Societies

Satoshi ISHIBASHI(President of IIEEJ, Technical Director, NTT TechnoCross Corp.)

当学会が設立されたのは1972年.その10年後の1982年に筆者は当時の日本電信電話公社(電電公社)に入社しました.配属されたのは横須賀電気通信研究所の画像通信研究部.当時電電公社では,電話網のデジタル(ISDN)化の研究開発を進めつつ,電話に続く新たなサービスの開発に力を入れていました.これらは非電話系サービスと呼ばれ,その代表例が,ファクシミリ通信網サービス(F-NET:エフネット)とビデオテックス通信サービス(CAPTAIN:キャプテン)でした.F-NETはファクシミリのデータを通信網で一旦預かることで不達時の再送信や複数地点への一斉同報を行えるサービスで,現在でも提供されています.当時の公社ではファクシミリ端末自体の開発も自前で行っており,これらファクシミリ関連の先輩研究者が当学会の設立・拡大の一端を担ってきました.一方,当の筆者はCAPTAINの方へ配属され,ファクシミリ開発を横目で見つつビデオテックスのセンタ装置開発に携わりました.ビデオテックスとは電話網経由で網内のデータベースから情報検索しテレビ画面に表示するサービスで,今のWebサービスの原点ともいえるものです.ビデオテックスを振り出しに,この後,静止画像符号化,ISDN テレビ会議装置,次世代映像符号化,臨場感通信システム,「場」の通信サービス,NGN(次世代ネットワーク)向けビデオチャットサービス,リモートデスクトップ(PCの画面転送)サービスと,筆者は画像関連の研究開発に35 年間携わってきました.その中で,学会へのcontributionという観点で振り返ると,前半はせっせと大会や研究会発表・論文投稿し,後半は運営側へ廻ることの方が多くなりました.そして今回当学会会長を拝命することなりました.

少々自己紹介が長くなりましたが,図らずも企業出身者としての会長ということになります.少なくともここ10 年近くは全て大学からの会長のリレーが続いています.そういった意味で,代々継承された従来の路線は踏襲しつつ,企業人の視点での改善提案や運営遂行がプラスアルファ出来ればと思っております.歴代会長・理事会のご尽力の甲斐あって財政は落ち着いてきております.しかしながら,会員数や投稿件数の減少問題は残っており,特に企業からの投稿の少なさが目立ちます.年次大会,研究会,学会誌どれを見てもほとんどが大学からの投稿です.入社当時,「試作の前に特許,後に大会発表.発表2 回で研究会.研究会2 回で国際会議・論文誌.」と,先輩からのきついご指導があったことを思い出します.今の若手研究者にも是非これを実行してほしいのですが,最近の企業の研究現場は成果の売込みやビジネス化推進までミッションが広がっており,研究者の業績としては発表数や論文数だけでなく,ビジネスへの貢献度合いも評価されるようになってきております.論文題材も以前ほど多くはなく,取りまとめの時間も割き辛い状況のようです.こういった流れは,直近の利潤を追求する企業では厳しくなる一方です.このような企業サイドでの環境変化に対し学会として何らかの歩み寄りが必要と思われます.

賛助会員の位置づけも変わってきました.設立当初は企業が学会を支える意識が強く,トップダウンで動いていたと思われますが,学会のカバー領域が拡大した今では,賛助会員であるメリットを担当者が具体的に訴え社内の理解を得なければなりません.関連他学会での先行事例ですが,賛助会員に対し研究活動だけでなくビジネスの機会が増える特典を追加したところ,新規入会が増えたそうです.企業にとって魅力あるcontributionを考えてゆきたいと思います.

更にこれは企業に限ったことではありませんが,研究会などで関連他学会との共催が多いことも気になる点です.連携という観点では議論の多様化・活発化などが期待されるかもしれませんが,一方で当学会ならではの独自性が弱くなる恐れがあります.関連学会との連携について,より踏み込んだ検討の必要があるかもしれません.

気になる点を先にあげましたが,当学会の強みは重点領域に特化した研究会活動,IEVC 国際会議の主催,学生を含む若手層の充実度だと思います.しかも,その若手層に合わせて,研究者の育成に重きを置く伝統が根付いています.また,円滑な学会運営に欠かせないのが事務局です.その点で当学会の事務局には,会員本位で迅速かつ確実に処理を進めてくれるという大きな強みがあります.1 年という短い期間ですが,これまでの強みはそのまま伸ばしつつ,企業と学会相互のcontributionを上乗せすることで,当学会の活動がより一層活発化することを目指したいと思います.会員の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします.

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